導入事例

発想とパッケージには驚きました。

長年お菓子を売ってきて、

中身が全く見えないパッケージは初めてです。

商品開発事例 商品:眼力せんべい 株式会社いなづる製菓:中嶋 保明

高尾の天狗 眼力せんべい

(高尾山薬王院)
六根清浄印入り瓦せんべい 6枚 500円

男を見る目、女を見る目、人を見る目を養えますように

 

天狗様は、人々が震え上がるほどの鋭い眼力を持ち、瞬時に物事の真意を見極める力があります。善きものを招き入れ、悪しきものは祓い、人々の身にふりかかる災いをも除いてくれるでしょう。


高尾の天狗 眼力せんべいブランドサイト

創業60年を超える老舗お菓子メーカー、株式会社いなづる製菓。ソーシャル知財株式会社が企画、いなづる製菓で製造している「高尾の天狗 眼力せんべい」の商品開発プロセスについて、代表取締役の中嶋さんにお話を伺いました。(聞き手:ソーシャル知財株式会社代表 菅 喜嗣

株式会社いなづる製菓

代表取締役

中嶋 保明(ナカジマ ヤスアキ)様

創業60年を超えるお菓子メーカー、株式会社いなづる製菓の2代目。川崎大師、深大寺など神社仏閣のお土産ものを多数製造販売している。主力商品である瓦せんべいのほか、人形焼き、草加せんべい、おかき、雷おこし、お饅頭、ぼうろ、クッキー、飴、ようかん、揚げせんべい、かりんとう、だんごなど。小ロットで多品種のお菓子を製造。小売店への卸・販売などを行っている。

出会いのきっかけとヒアリング

菅:実は10年くらい前に一度出会いがあって気になってはいたのですが、2019年3月に改めてお話を聞かせてもらいたいとお願いしました。人の手を使ったお菓子を作る機械をたくさんお持ちなので、ずっと可能性を感じていたんです。

 

中嶋:今はうちと同じレベルのお菓子屋がどんどんなくなっていますね。オートメーション化して工場で生産しているか、パティスリーとして自分のお店で売るものだけを作っているか。うちは、機械を使って人の手でお菓子を作っています。機械も色々なものを持っていて。

菅:人の手で色々なものを作れるというのが、私どもには魅力なんですよね。地域に雇用を生むことは、我々の目的のひとつですから。

 

中嶋:今回ソーシャル知財さんからご依頼いただいた瓦せんべい以外にも、ちょっとずつ色々なお菓子を作っています。人形焼き、おまんじゅう、おせんべい、雷おこしとか。小ロット、多品種の商品です。味付けの加工も自社で色々やっています。売り先としては、深大寺や高幡不動、川崎大師などのお土産もの屋さんへの外商がメインです。

 

菅:最初、機械や商品のことを根掘り葉掘りと言ってもいいぐらい聞かせていただきましたが、どう思われましたか?

 

中嶋:いや、もう、真剣だなぁと(笑)。

普段小売店さんとお話していると、うちが企画側なんです。「売る場所はあるから、何かいいものありませんか」と任されちゃう。「こんなのはどうでしょう」と持っていって、売ってもらう。でも、買取じゃないんです。売れなかったら全部回収なんですよ。いわゆる委託販売ですね。

 

普段は、企画開発の部分を一緒にやりませんかということはあまりない。こんなに質問されることもないですよ。ソーシャル知財さんは、ただの企画提案でなくて、自分でもリスクをとっている。たくさん売れなきゃ赤字になるので、真剣にもなりますよね。

アイデア発想から商品化まで

菅:最初はデザイン幅のある人形焼きがいいかなと思ったんですよ。でも、中嶋さんから人形焼きは型代が高いから、はじめはやめた方がいいと言われて(笑)。瓦せんべいの型代はそこまで高くないけれど、型を入れ替えるのに半日もかかっちゃう。作る側のいなづる製菓さんに手間がかかってしまうんです。

 

焼き印はどうかと聞いてみると、その場ですぐに交換できるし手間はかからないと。じゃあ焼き印だなとなって。今使っている焼き印を色々見せていただきました。

 

アイデアをこちらで考えると言っても、作るのはいなづる製菓さん。手間なく作れてしかもずっと売れ続ける商品にするためには、メーカーがどう作るかをこちらがしっかり把握しないといけません。中嶋さんは本当に細かく教えてくださって、助かりました。

 

中嶋:提案される側は新鮮でしたね。普段はこちらが企画提案する側ですから。商品の企画が本当にうまいなぁと思って拝見していました。

 

菅:焼き印せんべいでやろうとなってから、その特性を生かせる売り場やアイデアを色々考えて。ロングセラーにならないと意味ないですからね。


中嶋:高尾山薬王院に提案すると聞いた時は驚きましたね。

菅:関連会社の株式会社MNHが10年前から薬王院さんとお取引させてもらっています。地域のメーカーや福祉作業所をまきこんでのビジネスモデルを評価いただいてのことです。

 

それで薬王院さんへMNHの小澤社長がサンプルを持ってご提案に行ったところ、逆に天狗の腰掛け杉や六根清浄のお話をいただき、それを元に最終案ができました。皆さんの思いがこもったよい商品になりましたね。

できあがった焼き印。眼力のある天狗と六根清浄の文字が入っている。

中嶋:企画提案から販売までの決め方には驚きました。私たちが自分で小売店に商品を売り込む時には一回で決める必要はないんですよ。売ってみて改良、売ってみて改良という感じでやっているんで。

 

パッケージのデザインにも驚きました。真っ赤で、中身が全く見えないパッケージだったので。長年お菓子を売ってきて、中身が全く見えないパッケージは初めてです。

 

菅:中身は見えていてもいいんです。でもまず売り場で商品が並んでいるのをぱっと見た時に、お客さんが「わーっ!なんだろう!?」って反応するのが大事なんです。細かい説明をしなくても、買いたくなるパッケージにしました。

 

全体が真っ赤で、無数の天狗の眼がこちらを見ているイメージですね。

高尾山薬王院境内 眼力せんべい売り場。赤いパッケージ並んでいて迫力がある

知的財産の活用

菅:商品開発にあたって、知的財産権をソーシャル知財側が取得します。いなづる製菓さんはこのようなやり方をどう感じていらっしゃいましたか。

 

中嶋:今風だなぁと。私たちお菓子作りの世界ではあまり聞いたことがありません。昔ながらのお菓子屋さんって、他と違うものを売ろうというのではなく、売れているものを売ろうとするんですよ。他にはない独自性のある商品を作って権利も取得しようという発想はありませんでした。

 

菅:私たちが知的財産権を取得するのは、開発した商品が長期的に売れ続けるようにしなければならないから。他社との競合を避けるためですね。知的財産権は生命線だと思っています。中小メーカーこそ、知的財産を活用することが武器になると思っています。

今後への期待

菅:いなづる製菓さんには、お菓子作りが遊びよりも楽しいという社長と、10年15年ずっとお菓子を作り続けている製造スタッフのみなさんがいる。やっぱり長く勤めているということは、お菓子作りの手作業の面白さがあるからじゃないかと思うんですよね。

 

私はパソコンとにらみ合ってする仕事より、こういう職場が地域に残る方がずっとよいと思っています。今回は瓦せんべいでしたけど、いなづる製菓さんは色々と商品を作れるのでまた別の企画もご一緒できるといいと思っています。

中嶋:ソーシャル知財さんは社会貢献を考えつつ商品を作られているので、私たちも継続してお菓子を製造できるように従業員とともに取り組んんでいきたいと思っています。

うちのお菓子は職人が焼いているわけではないので、長年働いている人でも、入りたての人でも同じように美味しく焼けるように工夫をしている。働いている人が楽で、意欲がわいてというお菓子の中で、一番いいものを出したいと思っています。

 

「眼力せんべい」は、2019年9月から販売をスタートして、紅葉の時期、お正月とご注文を継続していただいています。春~夏、来年の紅葉の時期など、高尾山が混み合う時期に販売が伸びるのではないかと期待しています。

 

菅:高尾山の天狗のお菓子として、これからもずっと親しまれていくといいと思っています。

 

本日はありがとうございました。

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